
こんにちは。2024年度に入社しました、PLAY CLOUD本部プラットフォーム技術部 開発第1グループ所属の朱です。
本記事では、AWS Elemental Linkを用いてMediaLiveにライブ映像を入力し、最終的にMediaPackageを経由してHLSストリーム(.m3u8)を配信する基本的なフローを整理します。Link導入の具体的な手順や考慮ポイントを整理する際の参考になれば幸いです。
- AWS MediaLiveの基本構造とライブ配信フロー
- Elemental Linkとは
- Elemental Linkを用いたMediaLive配信の設定
- Elemental Link利用のメリット
- 料金
- 終わりに
AWS MediaLiveの基本構造とライブ配信フロー
MediaLiveはAWSのマネージドサービスで、ライブ配信向けのエンコーダーとして機能します。 大まかには「Input」「Channel」「Output」という3つの概念で構成されます。
Input
入力ソースです。SDIなどオンプレ設備からのプッシュ、MP4ファイルのループ再生、RTP/RTMPプッシュ、Elemental Linkからの入力など複数の方式に対応しています。
Channel
入力を受けてライブストリームをリアルタイムで処理する論理的なパイプラインです。チャネル定義の中で入力と出力、エンコードプロファイルを紐づけます。チャネルをStartすると、Inputから受け取った映像がリアルタイムでエンコード・トランスコードされ、Outputへ送られます。
Output
チャネルの出力先として、MediaPackage、S3など複数設定可能です。MediaPackageを挟むと、HLS/DASH/CMAFのパッケージングとマルチオリジンの可用性を容易に実現できます。
たとえば、MP4をVOD的にループ再生しながらライブ配信を行う場合の流れは以下のようになります。
- InputでMP4ファイルのループを定義
- ChannelでInputとOutput(MediaPackage)を関連づけ、プロファイルを設定
- チャネルをStart
- MediaPackageでエンドポイントURL(.m3u8)を作成
- クライアントプレイヤーからURLを再生
Elemental Linkとは
Elemental Linkは、AWSが提供する小型のハードウェアエンコーダーです。現場にLinkを設置し、HDMIやSDIで映像を入力することで、Link自身がAVCまたはHEVCエンコードを実施し、AWSクラウド上のMediaLive Inputに安全にストリームを送出します。

特徴としては:
- ハードウェアセットアップが非常にシンプル(電源・ネットワーク・映像入力のみ)
- 専用の暗号化通信経路でMediaLiveへ自動的にPush
Linkを導入することで、エッジ側の設定ほぼ無しで開始できます。
Elemental Linkを用いたMediaLive配信の設定
Elemental Linkを利用する場合、MediaLive上では「Elemental Link専用のInput」を作成し、Channelと結合します。
具体的な手順をまとめると:
1. Inputの作成
Input Typeは「Elemental Link」、リストから対象のLinkデバイスを選択


2. Channelの作成
Inputに上記で作成したElemental Link Inputを指定
Output DestinationにMediaPackage Channelを指定
エンコードプロファイル(解像度・ビットレート)を設定
3. MediaPackageでHLS Endpointを作成
出力用のエンドポイントURLを発行
CloudFrontと組み合わせて配信用CDNを設定
4. Channel Start
Start後、LinkからリアルタイムでストリームがMediaLiveに到達
MediaPackage経由でクライアントにm3u8を提供
ライブ配信できました!

Elemental Link利用のメリット
- 配信現場側のセットアップが最小限
- CloudWatchで一元的に稼働モニタリング
- ネットワーク障害時も自動再接続
トラブル時の挙動
実際に運用を考えると気になるのが「ネットワークトラブル時の復帰の速さ」です。Elemental Linkはこの点でも優れており、回線断が発生した場合でも自動的に再接続を試みます。 実際にLANケーブルを抜き差ししたところ、5〜10秒程度で自動的に復旧しました。
料金
Linkデバイス本体価格
AWS公式ストアから購入可能で、UHDモデルは4,995 USD(2025年9月現在)(黒いモデル)です。
なお、HDモデルは2025年4月をもって販売終了となり、現在はUHDモデルのみ購入可能です。
UHDモデルでもHD入力・送信に対応しているため、従来のHD用途にも利用できます。
MediaLiveの料金
MediaLiveはチャネルの起動中に時間単位課金されます。チャネルをStartしていない限りは課金されません。入力数や出力プロファイル数によって課金が増えるため、配信イベントに合わせてチャネルをStart/Stopする運用が一般的です。
(なお、Elemental Linkのプレビュー機能を使うだけでは課金は発生しません)
Linkの料金は、利用するリージョンや設定、解像度によって異なります。最新の詳細な料金については、以下のAWS公式ページをご確認ください。
終わりに
以上が、Elemental Linkを用いたAWS MediaLive配信フローの概要です。
ちなみに弊社の動画配信プラットフォームである STREAKS でも、入力に Elemental Link を使えるように対応しています。興味を持たれましたらご連絡ください。