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HuluやTVerなどの日本最大級の動画配信を支える株式会社PLAYが運営するテックブログです。

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TSKaigi 2026 に現地参加しました! #TSKaigi

先日開催された TSKaigi 2026 に、PLAY はシルバースポンサーとして協賛しました!また弊社の市川が登壇するということもあり、そちらの応援も兼ねて現地参加しております。

日常的にTypeScriptを書いているので以前から気になっていたイベントだったのですが、実際に足を運んでみると想像以上に熱量が高く、とても学びの多いイベントでした。

会場の熱気とブースの様子

ベルサール羽田空港の会場に入って真っ先に感じたのは、とにかくTypeScriptコミュニティの圧倒的な熱量!スポンサー企業のブースも大盛況で、AI活用から開発の効率化、大規模フロントエンド向けの取り組みなど、各社がそれぞれの課題に対してどうTSを活用しているのか生の声を聞けたのが非常に良かったです。

短い時間でのブース巡りでしたが、TypeScriptがいまやモダン開発の中心にいるということを肌で実感しました。

Gaji-Labo 様の笹飾り

セッション

聴講したセッションの中から 3 つのセッションについて紹介します。

制約と時代から読み解くTypeScriptコンパイラ設計史

制約と時代から読み解くTypeScriptコンパイラ設計史

「今の洗練されたTypeScriptが、最初から完璧だったわけではない」という泥臭い背景が知れて、個人的にかなり面白かったセッションでした。

当時は言語開発、エディタ開発、そして開発体験(DX)向上の取り組みがそれぞれ独立していたわけではなく、互いに密接に絡み合いながら進化してきたそうです。 スライドの中で紹介された、初期のVSCodeでTS Compilerのコードを書いている画面はなかなか印象的でした。

初代のVSCodeでTypeScriptを開発

今でこそ当たり前のようにVSCodeの恩恵を受けていますが、「自分たちでツールを作りながら、そのツール自体を改善していく」というドッグフーディングのユニークな歴史があったんですよね。

理想論に終始するのではなく、当時のJS実行環境の制約や言語自体の仕様の壁、パフォーマンス問題といった「現実的な事情」が、今のTSのアーキテクチャにどう影響を与えたのかという裏話も最高でした。 普段は何気なく使っているTSですが、「なぜこういう仕様になったのか?」という背景を知ることで、言語そのものに対する理解が一段と深まりました。

ReactとSvelteのその先、Ripple-TS

Fine grained reactivityとTSRX

「Ripple」という新しいUIフレームワークの紹介セッション。RippleはTypeScriptを中心に据え、独自のテンプレート構文とリアクティブシステムを持っているのが大きな特徴です。

特に惹かれたのが「Fine-grained reactivity」をベースにした設計思想。 Virtual DOMを使わずに必要な箇所だけをピンポイントで更新するアプローチをとっていて、パフォーマンスとDXへの強いこだわりを感じました。 React、Solid、Svelteといった既存フレームワークの思想を吸収しつつ、次世代の開発体験を模索しているのが挑戦的だと思いました。

個人的に現在フレームワーク開発を行っていることもあり、セッション内で語られていた設計上の悩みや方向性にはかなり共感する部分がありました。

開発体験をどう向上させるか、柔軟性と複雑性のトレードオフをどう着地させるか、そしてパフォーマンスとどう両立するか。実際に設計する際に避けて通れないこれらの問題は、自分自身の開発課題とも完全に重なっていました。 表面的な機能の紹介にとどまらず、設計者の「思想」に直接触れることができ、強い刺激を受けました。

Rippleと他フレームワークのパフォーマンス比較

LLM時代のリファクタリング戦略:AIエージェントによる段階的・安全なTS移行方法

セッションのアジェンダ

こちらは弊社の市川が登壇した、「LLM時代のリファクタリング戦略」のセッション!限られた時間の中に実践的なノウハウが豊富に詰まっており、その中でも一番の学びとなったのはこれでした。

「AIをどう使うか」ではなく、「どう安全に運用するか」

最近はAIコーディングの話題で持ちきりですが、実際にプロダクト開発に組み込むとなると、AIに任せるスコープの定義からルール化、テスト体制、コンテキストの管理などをしっかり整備しないと安定稼働はしません。そのあたりのリアルな課題感と解決策が語られていて、非常に納得感がありました。

AIを単なる「便利な自動化ツール」として終わらせず、「再現性のある開発フロー」としてどう業務に組み込むか。今後の開発体制を考える上で、自分の開発にも取り入れたい知見ばかりでした。

OST(Open Space Technology)

全てのセッション終了後、懇親会が始まるまでの約 1 時間で行われた企画がこの OST です。事前に参加者から集められたテーマが提示されるので、興味のあるテーマのところに集まって、参加者同士で自由に話し合います。TypeScript 7.0 Beta や tsgo のテーマもあれば、普段の開発運用における具体的なノウハウ、エンジニアとしての情報収集の仕方など多岐に渡るので、この企画で得られたものは人によって大きく異なるものかと思います。

軽い気持ちでキャリアについてのテーマに参加しましたが、他のテーマと比べて明らかに多くの人が集まっており、現代のエンジニアの大きな悩みなのは改めて感じました。尤も、悩みの内容は経験年数や役職によって大きく異なるようです。

OSTテーマ(抜粋)
- tsgo触ってみた?どう変わる?
- ts7に備えてもうts6にあげましたか!?
- フロントエンドのディレクトリ構成どうしてる?
- Reactのメモ化どこまでしますか?
- 技術キャッチアップは何を目指して、どうしてますか?
- この先のキャリアどうしていく?

おわりに

最大 3 セッションが並列で行われている以上、全てのセッションを直接聴講することはできませんでしたが、それでも

  • TypeScriptの歴史
  • フレームワーク設計
  • AI時代の開発フロー

などの幅広いテーマを通じてコミュニティの熱気を存分に浴びることができました。新しい技術を見るだけではなく、その裏にある「なぜ作ったのか」、「なぜこの仕様なのか」「AIをどうやってそれに取り込んでいくのか」という設計思想や背景にまで触れられた、最高に充実したイベントでした!

今回の TSKaigi 2026 を企画、開催いただいた関係者の皆様、個人スポンサーの皆様、スポンサー企業の皆様にも重ねて御礼申し上げます。