こんにちは、Androidアプリの開発を担当しているソリューション技術部の呉です。
システムやアプリ開発にあたっては、タスクや不具合の管理が非常に重要です。それらを一括管理できるJiraという管理システムがあるおかげで、開発がすごくスムーズに進められるケースもたくさんあります。
自分も現在まさにJiraが使われているプロジェクトに参加しています。しかし私の場合、Jiraプロジェクトがお客様によって管理されているので、自分達の都合では自由にカスタマイズできません。
例えば下記のようなバックログリストがあります。
タスク名、ステータス、担当者が表示されていますが、開発側として対応OS、詳細対応状況とかもリストしたいです。しかし、お客さんのルールで管理しているJiraであるため、こちらで欲しい形の一覧リストを作成することができません。
そこで、Googleスプレッドシートに課題を連携させ、それをカスタマイズすることにしました。
本文ではJiraとGoogleスプレッドシートとの連携方法に加え、課題の取得方法、Googleスプレッドシートでの管理の仕方を紹介します。
連携方法
アドオンを取得
新規のスプレッドシートを作成し、
「拡張機能」 > 「アドオン」 > 「アドオンを取得」の順で選択します。
「Jira」と検索し、「Jira Cloud for Sheets」を選択します。
「インストール」を選択し、権限を聞かれたら「続行」をクリックします。
ログイン画面に遷移しますので、権限許可を行います。
下記画面が表示されましたら、
「次へ」>「完了」を押したら、インストール成功です。
スプレッドシートに戻り、「拡張機能」に「Jira Cloud for Sheets」項目が表示できたら、アドオンの取得成功です。
Jiraへの接続
「拡張機能」>「Jira Cloud for Sheets」>「Open...」の順で選択します。
しばらく待つと、右側にJiraメニューが開かれるので、「CONNECT」を選択します。
Atlassianの画面が開かれるので、「Accept」を押して、接続を同意します。
(認証コードを要求される場合があります。認証コードはスプレッドシート右側のJiraメニューに表示されています。)
スプレッドシートに戻り、Jiraメニューにユーザー名の表示と「Get issues from Jira」項目が有効になったら、Jira接続成功です。
Jiraの課題を取得してみる
「Get issues from Jira」>「GET ISSUES NOW」の順で押します。
現在連携したユーザーの閲覧できる課題リストが表示されます。
「キー」のところにリンクも貼ってくれました。とても親切ですね。
JQLを使用して特定の課題を取得
JQLとは
JQLは「Jira Query Language」の略です。 Jira専用のクエリ言語で、課題を検索するのに使います。 JQLは基本検索だけではなく、複雑な検索条件にしたい場合にも利用できます。
JQL利用
JIRA関数
新しいシートを作成して、Jiraメニューの「Settings」を選択します。
「Enable =JIRA() function for users of this sheet.」のチェックを有効にします。
そうするとJIRA関数が使用できるようになりました。
JIRA関数の引数は4つあります。
- jql -- Jiraクエリ言語
- columns -- 表示項目
- offset -- 行数移動
- limit -- 取得行数制限
全ての引数は省略可能になっています。 引数なしでも実行することは可能です。
実行してみると
先ほど「GET ISSUES NOW」を実行した結果とほぼ変わらないですね。
FIELDSの確認
「課題タイプ」「キー」「要約」...などの表示項目はFIELDと言います。 確認するにはJiraメニューの「FIELDS」>「EDIT」から一覧が開けます。
「課題タイプ」は issuetype
「キー」は issuekey
「要約」は summary
などがわかります。
JQL作成
JQLを作成してみましょう。
デフォルトのリストは「キー」の降順になっています。「キー」の昇順にしてみます。
JQL:order by issuekey ASC
こちらのプロジェクトは「ラベル」でOS情報を管理しています。
例えば、Androidの課題だけ取得してみます。
JQL:labels = 'Android' order by issuekey ASC
それに加えて、「play-user」担当分だけ取得する場合、JQLはこうなります。
JQL:labels = 'Android' and assignee = 'play-user' order by issuekey ASC
という感じで、SQLと同じ感覚でand
とor
で複数条件を指定して、Jira課題の取得ができます。
もちろん<
や>
などの記号も使用できます。
JQLで利用されるフィールドの公式ドキュメントがあります。
support.atlassian.com
料金について
既存のJiraプロジェクトにアクセス権限を持つユーザーであれば、無料でスプレッドシートと連携できます。
通信データ量による制限や追加料金も発生しません。
※ 新規でJiraプロジェクトを作成する場合、有料プランへの加入が必要なケースが存在します。
詳しくは 公式ページ を参照してください。
まとめ
最後に情報を整理します。
- スプレッドシートとJiraの連携方法
- Jiraアドオンをスプレッドシートにインストールする
- JiraアドオンからJiraへの接続を行う
- Jira課題の取得方法
- JIRA関数を有効化する
- 課題検索条件からJQLを作成する
- JIRA関数を実行して課題リストを取得
現在自分もスプレッドシートを使ってJira課題の管理を行っています。
カスタマイズが自由にできるため、管理しやすい課題一覧リストが作れました。課題の確認、対応漏れは大幅に減りました。非常に役に立ったと思っています。
最後までご覧いただきありがとうございました。